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あなたが真っ先に思い出すのは,楽しかったこと? それとも...

南雲 鉄雄

東京に勤めていた頃の話(10年ほど前)。やっと馴染のバイク屋が出来て、その常連達と初めて行った奥多摩方面への林道ツーリングを思い出します。

朝からトラブルの連続でTT-Rはエンジンガスケットからオイル漏れが発覚、休みのバイク屋を開けて緊急修理(^_^;)
途中CR(公道仕様)の調子が悪くなり道端でエンジンを開けてみるとミッションオイルがほとんど入っておらず、早朝開いているバイク屋を探しオイルを購入(^^;)

そしてようやくたどり着いた林道、いきなりすんご〜い登り急坂のがれがれ(T_T)テクニックの無い私は皆に置いてけぼり、さらに愛車89KDX200SRがオーバーヒート<(_ _)>初めてリザーブホースから勢いよく出る緑色の液体を眺めて茫然自失(;_;)
しかもその林道は後ほど判明するのだが実は登山道(店長が道を間違えた)後で考えるとあのガレガレの急坂を下って戻っていれば良かったのだが…

新参者の私は「このメンバーはいつもこんなにハードなツーリングをしてるんだ…」と信じて疑わず。ひたすらついていった。
ぬたぬたの急坂を下り、丸太橋を及び腰で通過し…崖の上の廃道で先頭が急停止。「道が有りませ〜ん」崖下を見るとなぜかトライアルバイクとヘルメットがいかにも「落ちました」って感じ
で転がっている…

一同ぞっ、としながらタイヤ2本分程しかない道をターンも出来ず延々バックで押すはめに…

そこで店長が一言、「いいか、危ないと思ったら迷わずバイクを捨てるんだぞ、命は修理きかないからな!」えらいとこに連れてこられた…(T_T)
道中ほとんどエンジンをかけて走るシーンはなく、ひたすら押し、つづら折りの急階段を皆でバイクを持ち上げつつ降ろし…そんなのが五時間ばかし続いたでしょうか…突然目の前に現れた滝!皆で歓声を上げ顔を洗い、水を飲み、誰かが持ってきていた非常食をむさぼり食い…
アスファルトの道が見えた時は大歓声!「俺は生きて帰ってきたんだ!!」当時は大げさでなくそう本気で思った。

今でも、当時の連中に会うと、必ずその時の話をする。なにより素晴しかったのはその時の皆の一体感、誰も文句を言わず皆が皆のことを考え助け合った、その心根。損得無く、そういう事が出来るのはやはり、バイクという共通の心があったからだと感じた。
今は関西勤務となったが、そのメンバーとの交流は今だに続いている。
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