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あなたのバイクにまつわる「初めての経験」は?

ねね

初めてまともにバイクに乗せてもらったのは、カワサキのいま一番強い奴の後ろ。
バイク初体験に近かったし、当然どんなハイパワーな車体かなんて知らなかった。

やっと乗せてくれるんだ。ぜっとえっくすじゅうにあーるっていうの。え、トゥエルブアールって言えと。あら失礼。
あ、行くの。あいどうぞ。ちょっとドキドキするね。よろしく。安全運転でね。
怖かったら言えよって?だいじょぶだよ。れっつごー。

――!!!!

信号待ち、スタート、置いてかれそう!スピード感!!轟音!!腹に響くこの感じ、一体何???
すっげえスピード、何キロ出してるの?はァ?50キロじゃん、でこれ!?えぇっそんな、ひやー、首取れる!
なにこれ、すっげえ気持ちいい!たまらない!!ドキドキする!!!
この人、こーーんなスゲェもの、平静な顔で運転してるの???
バイク乗りって・・・スゲェ〜〜〜!!!バイクって、こんなたまらない物なの!?

見事に焼きついてしまった。感極まって泣きそうになった。
気持ちよくてドキドキしてちょっと怖くて、フルフェイスの内側で顔はくしゃくしゃだった。
こんだけ私の心臓を早鐘打たせたものは、久々だった。

ああ、何度でも乗せて。気持ちいいカーブ描いて。もっと地面に近づいても怖くないよ。
どっか行こうよ。もっと遠くに行こうよ。今日もまた乗せて。今日もだよ。
二人乗りは限界があるか。そうか。そうだよな。高速だって乗れないしな。
これはもう、これはもう。自分でも取るしかない。

例えば、今日は晴れたな、どこ行こうかな。今日は雨だな、そういえばあん時は寒かったな。
今日は曇りでうすら寒いな、洗車でもするか。まずは近場にクリーナー買いに行こうかな、バイクで。

天気。気温。湿度。季節。風の匂い。コーヒーの味。全てが今までよりもっと鮮明になる。
もうひとつ大事な意味を発見する。
そういう感覚を自分で味わうんだ。

そんで私の始まりは125cc。―12Rにゃ遠いなあ。
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