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バイクを手に入れた時の思い出

かつてのヒーロー
HONDA NSR250R
Yuu

16歳で原付の免許を取得してスクーターに乗っていたのですが、街中での原付特有のルールに不便さを感じて僅か3か月後に教習所へ通って普通二輪免許を取得。

これで余計なしがらみも無く400ccまでの「バイク」に乗れるようになったのですが、正直言ってそれまで二輪と言う物に興味があった訳でもない、周りにバイクに乗っている友人もいない、むしろ自身も四輪の方が好きでこれと言って気になるバイクの車種もありませんでした。

でも折角だからと中古車情報や個人のホームページを漁ると、いくつか''カッコいい''とか''これは乗りたい''と思える候補のバイクを見つけました。

諸経費や手数料を上乗せされた金額をポンと出せるお金は無かったので、多少程度は落ちても良い、勉強にもなるだろうと個人出品のオークションでそれを探しました。

そしていざ落札し、手元へとやってきた初めての普通二輪はNSR250R-SE、MC28と言われるプロアーム仕様の最終型NSRでした。

自家塗装されていた紅白マルボロカラーは近くで見ると塗装ムラが目立っていましたが離れて見るとなかなかレーシーですぐ気に入りました。

カードキーを差し込んでキック始動と言う独特な感じも、何も知らない自分には新鮮そのものでした。

納車された日はエンジンの始動とプラグだけ自分で点検。
問題無さそうだったので次の日に溝がほとんど無くなっていた前後のタイヤを新品に交換し、一人ツーリングへ出掛けました。

今でもあの初めてのツーリングの時に聴いていた当時物Jhaチャンバーの音は忘れる事はありません。

その時2008年後半、走り屋文化も無くなりかけていた時代にNSR250は過去の遺物と化しており、そんなバイクに16、7の高校生が乗ってツーリング先のコンビニに乗り付けるとよく職業ドライバーの30代後半〜40代前後の方達を筆頭に「うわっ、若いのに懐かしいの乗ってるなー」とよく声をかけられました。

そういうバイク好きな人々が見ていた世界で自分が過ごす事を今まで想像もしていなかったので、意味も無く楽しくなって時間があればウロウロとNSRを走らせました。

特に意識していなかったのにいつの間にか出来たバイク仲間にツーリングクラブにも誘われ、年上のベテランバイク乗りとも仲良くなれました。

峠へも通うようになり、走りを意識するようになって膝を擦れるようになるまでも全然時間はかかりませんでした。

それからも色々なバイクを見たり、試乗もしたりして知識や見聞を増やしていきました。

数年後にNSRは手放してしまいましたが、それも新たなバイクを買う為の別れでした。

バイクブームとレーサーレプリカ全盛期に生まれた申し子のようなバイクが時代と共に最前線から消え、レーサーレプリカどころか2ストロークも絶滅した上バイクに若者が見向きもしなくなった時代に生きていた自分が、NSRに乗った事で二輪の楽しさを知れたと言うのは、NSRが''こんな時代もあったんだぜ''と間接的に今時の若者に何かを訴えるような啓示だったのかなんなのか・・・

不思議な巡りあわせだったなと今では思います。


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