キャンディライム |
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YAMAHA |
TW225 |
総合評価 : 85 点 |
年 式 |
2004 年 |
走行距離 |
75,000 km |
燃 費 |
街乗り |
35 km/リッター |
ツーリング |
40 km/リッター |
長所 |
メガスポーツを所有していてセカンドバイクとして購入。
敢えてスピードの出ないバイクということで選択。
通勤、普段の足として、またツーリングにも使用している。
そういう使用条件でのインプレ。
- まず維持費が安い。燃費は良いし、オイルも1リットルしか使用しない。
プラグも1本、タイヤも2万km前後持つ。バイクを複数台持つ身としてこれはありがたい。
- ・乗り心地が良い。モノショックでホイールトラベルもあり、低速域で良く動く。SS程ではないがメガスポーツはショックが硬くショックを動かすには、それなりの荷重を掛ける必要があるが、TWは低速域に合わせられたショックなので普通の交通の流れの中でサスが良く動く。
調整機構も何も無い足回りだが、ヤマハはこの辺のまとめ方が上手いといつも感心する。
- セル、キック併用なのでバッテリー上がりを心配しなくて良い。
バッテリーが上がってそのままというわけにはいかないが完全に死ぬまでの数カ月間はキックで凌げる。
今どきのインジェクションバイクだと押し掛けもままならない。
もう、セル、キック併用車って存在しない?
- 車体が軽く、取り回しが楽。オフ車ベースなので車体が軽い上、オンロード車ということで車高が低いので取り回し、足付きは原付と大差無い。
- リヤタイヤが太い。リッタークラス顔負けの180mm幅のタイヤ。安いバイクだが、リヤビューは貧相に見えない。リヤタイヤを強調するような演出をするとなかなかの物。
- そしてタイヤが太いからかフルバンク中の挙動が大型車に似ている。
(フルバンク中、車体の中心から左右に離れた所が接地しているあの感覚)
その辺は誤算だが大型車のセカンドとして以外な利点だった。普通に街中を流しているときは軽量車そのもの。
- また、このタイヤ、パンクしてもゆっくり走れば走れてしまう。
チューブタイヤだが緊急時には助かる。
更にタイヤのエアボリュームがあるからエアが減らない。
半年ほうっておいても圧が落ちない。
- 操縦性が良い。さすがハンドリングのヤマハ。極太タイヤのくせに操縦性は非常に素直。寝かし込みも自然、コーナーリング中のライン変更も問題無し。
太いタイヤのバイクにありがちなコーナーリング中のブレーキングで車体が起きる挙動も無い。こじるような操作をしなければ切り返しも軽い。
ペースをガンガンん上げていくと、タイヤが重いため、とっちらかって、無理が効かなくなるが、これはこれでバランスは良いと思う。
- バンク角が深い。この手のバイクは車体がスリムなので深々寝かせられる。ステップが接地する前にまず先にタイヤが負ける。
- 加速が良い。誤解しないでほしいが全力加速が速いわけではない。
低回転がそこそこあるので普通に使う回転域、速度域でストレスにならない程度の加速はできるということ。車体も軽いのでシフトダウン無しでも何となく加速する。シフトダウンしないとまともに加速しない4気筒400ccよりイライラしない。
そもそも遅いといっても同程度の馬力のビッグスクーターくらいの加速はできるし、100km/hも出ない下りの峠ならSSに迷惑をかけないペースで十分走れる。
ホイールベースが短く、バンク角も深く、車体も軽いので限界が低いなりにタイトな下りは侮れない速さを発揮してくれる。
- ゆっくり走ってストレスが溜まらない。低速走行はメガスポーツだと大なり小なりストレスとの戦いになるが、60km/hで十分走っている満足感に浸れる。
トップギヤ40km/h〜70km/hは非常に快適。緊張感の中で走るSSやメガスポーツとは違う良さがある。
- 振動が少ない。バランサー内蔵のエンジンなので常用域での振動が少ない。ミラーもぶれずに見える。(高回転まで回すと股間に振動が来るが)
- 真夏の炎天下でもオーバーヒートしないエンジン。油温計は無いので何度まで温度が上がっているか不明だがアイドリングも至って安定。
メガスポーツの灼熱地獄と違い、ライダーに優しい。結局オイルクーラーも付けていない。
- ハンドルの切れ角があり小回りが利く。他車が四苦八苦する狭い道でのUターン等全く苦にならない。
- 結構、エンジンが丈夫。75000kmを超えたがオイル上がりや下がりは無く特に不調も無い。
これまでにやったこと。オイル交換は3000〜5000kmごとフィルタ10000km、プラグ10000km、クラッチフリクションプレート交換50000km時と、その程度。
タペットもチェックしたが問題無いのでそのまま。最高速は確実に落ちているが、始動性など実用面で問題は無い。
最小限のメンテでこれぐらい持てば十分だろう。
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短所 |
- 私は敢えて遅いバイクを選んだので、遅いことは欠点とは思わないが、高速道路を多用する人は候補から外した方が良いかもしれない。
80km/h以上は走れても苦痛。風はまともに受けるし、追い越しもままならないので結局トラックの後ろで排気ガスを浴びながら走ることになる。
- フロントビューはいかにも小型車。料金所でよく125ccに間違われる。
- ヘッドライトが暗い。35/36.5Wは今の感覚からは暗い。原付並?
高効率バルブに交換すれば多少は良くなるが夜間走行が多い人は要対策。
私は追加ライトを付けたが、とりあえずバッテリー上がりはしていない。
- 収納スペースが無い。シートはボルト固定で当然シート下の収納は当然無い。書類入れや工具入れと称する部分はあるが、それもそれしか入らない。
荷かけフックも無いので、実用での使用を考えるているなら何らかの積載装置が欲しくなる。
- フロントブレーキが甘い。これはホイールベースが短いので前転防止のためと思われるがもう少し効かせられた方が走りやすい。
- タイヤが選べない。このタイヤサイズはTWとバンバンだけ。知る限り3〜4種類しか無い。マイナーなサイズだけに割高?
ただ人気車種だったので結構何処でも手に入る。
- 雨中の運転はカッパ、長靴が必須。ノンカウル系は大差無いかもしれないがちょっとした雨でもよく濡れる。特に足元。道路が濡れているだけで濡れる。少々の雨でも濡れないスクーターとは真逆。
- ドライブチェーンは×。1万kmで全伸びは無いだろう。交換するときは純正ではなくグレードアップしたものを選んだ方が良い。
(但し、あまり上等なシールチェーンは同サイズでも幅が広いためドライブスプロケットカバー内側のビスに当たるので要注意)
- もう1つスプロケットカバーについて。スプロケットカバーとジェネレータカバーが一体になっているためドライブスプロケットを点検、交換するのにいちいちエンジンオイルを抜かなければならない。(右に傾ける手もあるが。でもガスケットは必要。)
- 気軽に乗れて故障も少なくて良いのだが味わいは少ない。シングルエンジンの鼓動がそれほどあるわけではないし、モタードエンジンのように俊敏な反応をするわけでもない。ガチャガチャとメカノイズはうるさいし・・・。
マフラーを交換すると多少はトコトコ感を演出できる。注意点。ダウンタイプのマフラーは物によってバンク角が浅くなるので要確認。
- この個体だけかもしれないが気温2〜3℃以下の日にハイペースで走るとアイドリングしなくなる。キャブのスロー系で水分が凍結する??
これは新車時からで始動は全く問題無く、エンジンが温まってから発症する。
- これも個体によるかもしれないがエンジン、セルモータ部からのオイル漏れが酷い。酷いといってもオイル交換時にレベルが見えなくなることはないので放置
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故障,トラブル |
パンク程度で特に無し。
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その他 |
セカンドバイクとしてのインプレで書いたが、スピードに興味が無ければTW1本でも充分。とにかく維持するのに手間や金がかからない。
ステイタスやカリスマ性があるわけではないが、TWにしか無い独特の雰囲気はある。
一時の流行りでTW=スカになってしまったが、マニュアル車として最小限の装備があり、シンプルでいじり易い。モンキーでは小さ過ぎるというメカ好きにも面白い選択だと思う。
リヤBOXを付けると立派な旅バイクになるし、実用車にもなる。タンクが7リットルと小さくてもツーリングならリッター40km走るので250km以上無給油でOK。下道なら全然問題なし。
高速を使ったり、走りを重視したツーリングにはメガスポーツ。メガスポーツが不得意な分野の時はこのTW。この棲み分けが良い。
新車で手に入らない今、妙な改造車も有りそうなので目利きは必要だがメカが好きならどうにでもなりそうなほどシンプル。
元々人気バイクなので結構いろいろなパーツがあるし、それらの値段も結構安い。
2〜3年で乗りつぶしてまた次をと考えていたが、結構丈夫なので買い替えのタイミングを逸して現在に至っている。最近はこのままエンジンが逝ってしまうまで乗って、それから考えても良いかなとも考えている。
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