I'm Rider
 I'm Rider >> Garage >> 我ら素人ライダーのインプレッション >> 250ccClass >> Yamaha

我ら素人ライダーのインプレッション/TW225

ぐずた
YAMAHA TW225 223cc
総合評価 : 75 点
年 式 2002 年
走行距離 65,000 km
燃 費 街乗り 38 km/リッター
ツーリング 42 km/リッター
長所
身長178cm体重75kgで今までホンダの50ccスクーター「ジュリオ」と「スーパーカブカスタム90」しか所有したことがないという前提で話させていただきます。

私が購入したTW225は2002年式の中古で購入時の走行距離が約3000km、改造箇所はマフラーがメーカー不明のスパトラ、ハンドルが純正に酷似した社外品、リアフェンダーの内側(ちょうどシートの下)にリアタイヤを照らすようにLEDライトが設置してありました。
購入後すぐにマフラーを純正品に交換したので以下の評価は、ノーマルのTWに対するものだと考えていただいて結構です。

まず、長所として挙げられるのは燃費の良さだと思います。

街乗り38km/l〜、ツーリング40km/L〜44km/Lという数値は自分の運転が慎重であることを考慮したとしてもかなり良い方であると感じます。
タンク容量が7リットル、リザーブまでが5.5リットルなので全容量で約280km前後、リザーブだけでも220km程度は走れる計算になります。

次に直進安定性と不正地での走破性の良さが挙げられます。

オフ車ではまずありえない太いタイヤのおかげで一般道の荒れた路面でもまっすぐ進んでくれます。
よく車種によっては「レコード溝」にタイヤをとられることが怖いと言いますがTWに関してはそういったこともありません。
舗装路で風に煽られたとしてもそれほど大きくラインを崩すこともありませんでした。
砂利道や林道へ入って行っても極端にとばすことは厳しいかもしれませんが走破することは可能です。

足付きの良さ、粘りのあるエンジンも長所でしょうか。

TWのシートは私の身長では両足のつまさきからかかとまでベッタリつきます。
立ちゴケは今まで一度もありません。シート高からいうとかなり乗りやすいほうだと思います。
エンジン特性はとにかく強く粘る感じで普通に運転する限りではエンスト知らずです。
1速が0〜15km/h、2速で10〜25km/h、3速20〜35km/h、4速30〜45km/h、5速40km/h〜私の場合この間で変速しています。

とばす必要がなく、平坦な道であればこれくらいが振動も少なく穏やかに運転できる範囲ではないかと思います。
きちんと計測した訳ではないので感覚的なものになりますが60km/hまではあっと言う間に到達します。
クルマの流れに乗ることはもちろん、下道であれば流れをリードすることも十二分に可能です。
70〜80km/hまではすぐに加速してくれます。急な傾斜の坂道でももちろん失速することは皆無です。

主な長所は以上でしょうか。あと細かい点をいくつか挙げておきたいと思います。
  • ノーマルパーツ社外パーツともに多種多様に揃っており中古品を安く購入できる
  • ブームが一段落して今は本当にTWが好きな人しか乗ってない感があり街中でもあまり他人と車種がかぶらない
  • 2008年2月現在、後継車種の話題もなく製造中止が色濃く今後希少性がでるかもしれない
  • 単気筒エンジンで比較的簡単な構造ということもあり整備性が良い
  • 今まで原付しか乗ったことのなかった自分にもすぐ乗りこなせた程の乗りやすさ
  • シートが快適 4〜5時間運転していても尻が痛くなりにくい
  • 上記の理由から思いのほかツーリングは苦にならない 片道100km程度の日帰りツーリングは余裕
  • 50〜60km/hで走ることが最も快適なため速度超過になりにくい
  • キックスターター、アンダーガードが標準装備である
  • 肩がけで大きめのボストンバッグだとバッグの底がちょうどシートの上にきて肩を圧迫することなく楽 リアキャリアやタンクバッグを不要に感じる
  • 長時間運転して帰ってきてもノーマルだとマフラーがほとんど熱くならないのですぐにカバーをかけられる
短所
一番の短所はスピードを出すのに不向きなバイクということでしょう(まぁ、もともとオフロードを走ることを前提に設計してあるわけですから至極当然なことなんですが…)。

乗車した態勢が上体でもろに風を受けるかたちとなるので80〜90km/hで思わず前傾姿勢をとってしまいます。
そうでなくとも60km/h以上では風の抵抗を少なからず受けるので薄手の装備だとすぐに体力を奪われます。
特に冬場のツーリングでは冷たい風に一日中さらされることになり冷静さを失うほど体力の低下を招きます。
遠出をする方は何かしら風対策をしたほうが良いと思います。

私は今はもう外しましたが最近まで自分で風防を作ってハンドルに固定して風圧をやりすごしていました。
社外品でTW用の風防がほとんどない点も大きなマイナスだと思います。

実用的なカスタムを多くの人がしないということ、ツーリングでTWを使っている人が少ないことがこの点から伺えます。

他にはブレーキが非常に甘いという点が挙げられます。
かなり甘いです。教習で乗ったCB400SFと比べると雲泥の差です。
街中を走る際は歩行者用の信号を常に気にかけて点滅を始めたら進むか減速するか悩む程です。
当然ですが過度にスピードを出さないことが求められます。ネイキッドに乗る感覚で交差点に突っ込むと確実に止まれません。

制動距離をかなり長めにとらないと確実に前を走る車にぶつかります。
基本的にATの軽自動車より制動距離は長めだと考えてください。
ブレーキに関しては一度試乗してどれくらいのものか確認することを強くおすすめします。

特に注意すべき短所は以上だと思います。他に気づいたことといえば以下のようなことがあります。
  • あまり車体が大きくない(これは扱いやすいという点で長所でもありますが)
  • 乗ってる本人は分かりにくいが体格がいい人が乗るとバイクがより小さく見える
  • ハンドルに幅があり、街中ですり抜けを多用するような乗り方には不向き(それでもビッグスクーターよりはマシです)
  • 変なカスタムを施した車体やろくに整備のされてない車体が多数存在するので、なるべくノーマルに近い中古車を選ぶほうが無難
  • 利用したことがないので明言はできないが高速道路を長時間利用するのは危険だと感じる(出力上、余裕をもった運転が難しいのでは?)
  • 慣れてくるとたまに6速を探す
  • エンジンブレーキが強く10〜20km/hで走行する際は若干乗りにくさを感じることもある
  • 収納が皆無 自分で工夫せざるをえない
  • 決して他人に自慢できるようなバイク(輸入車や高級車のように)ではないので自分が本当に好きで買わないとすぐ手放してしまうかも
  • シート長が自分としては短くタンデムはかなり厳しく感じる
  • ワインディングをガンガン飛ばすのには不向き
  • 複数でツーリングに行く際は一緒に走る車種や排気量を選ぶ(250ccクラスの単気筒とならマスツーは充分楽しめるがSSやネイキッドにはついていけない気がします)
  • 単気筒独特のドコドコ感(こぎみ良いパルス感)はST250や250TR、エストレアの方が上(TWのエンジン音には単気筒特有のドコドコ、トコトコ音はほとんどありません)
  • 所有している満足感がノーマルのままだと希薄 そういった点ではエストレアやSR400、W400のほうが上かもしれない
  • 着座位置があいまいで慣れないうちはどこに座ってよいかいまいちつかめない
  • 舗装路での走行や、タートルシェルパターンタイヤではTWの真価をいまいち発揮できていない感がある
  • 250ccクラスなので当然だが街中の狭い路地や裏道、山中の細い獣道を探検するには向かない(そういった場面では原付二種のほうが断然有利)
  • あまりに売れすぎた車種のためオーナーズクラブがほとんど見当たらない
故障,トラブル
個体差があるのでなんとも言えませんが、オイルにじみがありアンダーガードの裏側に微量ながらオイルが溜まっていました。
実際オイル漏れとまでは言えない症状なので注意して観察しオイルが減ったら注ぎ足すつもりでしたが、結局継ぎ足すほど漏れることはありませんでした。
某インターネット掲示板でそういった症状があるかと訊いてみたところ自分以外にいなかったので完全に個体差であると思います。

4速40km/hでトルクの谷があり、一瞬スピードが伸び悩むことがかなりの確立であります。
それほど深刻ではないのですが普通に運転しているとほぼ毎回起こります。
特に冬に発生することが多く、その際はアクセルをあおるか5速にするかしています。

他のTW225オーナーにもあることなので個体差ではなく共通した事例だと思われます。
急加速しているときはあまり感じることはありません。

できれば購入前に試乗して確認することをおすすめします。
この症状は決して運転に支障をきたすほどのトラブルではないのであしからず。
その他
自分がTWを購入した理由はまずその見た目からです。
一見するとオフ車のようですがシートは低くタイヤが異常に太い。
オフ車のようで他のオフ車とは少し違う。ヤマハ的に表現するとトレール車といったところでしょうか。

もともとホンダのAX−1やバラデロ、ヤマハのテネレなどのオフツアラーが好きで、TWにもどこか同じ「におい」(それでいてそれらとも違う)を感じ購入に至りました。

「何が起きても走ってくれそう」「世紀末が訪れてもTWならなんとかなりそう」というイメージや「ハードコア」「ヘビィデューティ」などの単語がよく似合う雰囲気にも惹かれました。

なんとなく大友克洋の「AKIRA」に登場しそうなところも自分にとっては評価のポイントでした。
私がバイク初心者であるということやあまり高額なものを購入できなかったという点もTWを選んだ大きな理由だと思います。

250ccの単気筒バイクは初心者には「価格」と「乗りやすさ」それと「整備性の良さ」という点で特に優しく、入門機としてぴったりではないかと思います。
トラッカーに限らず様々な車種があるので見た目や雰囲気、自分の目的に合わせて選んでみると良いかと思います。

購入してある程度乗ってから初めて自分にそのバイクが、またバイクに乗ること自体が合っているのかそうでないかがよく分かると思います。
もしかしたらTWはひとつの通過点にすぎないかもしれません。

しかし、それはそれで良いと思います。自分にとって何が必要か必要でないか取捨選択の判断基準を得られるわけですから。
私個人のバイクに対する考え方は遠くへ行くより身近な場所で、色んなものを見たり新たな発見をしたいと思うほうなので次は原付二種でいいかなぁなんて考えています。

もちろんTWが良いとか悪いとかいう意味ではなく私自身にとってどうか、私がバイクに対して何を求めているかということです。
購入を検討している方はなるべく多くのインプレッションを読んだり、オーナーに感想を訊いたりして本当に自分の乗り方に合っているのかよくよく検討して購入されることをおすすめします。

過剰なスピードを求めずに等身大で、まったり、とことこと走りたいひとにとってTW225はベターなバイクだと私は強く思います。
top


I'm Rider