I'm Rider
 I'm Rider >> Garage >> 我ら素人ライダーのインプレッション >> Over750cc >> Kawasaki

我ら素人ライダーのインプレッション / ZX12R

キャンディライム
Kawasaki ZX-12R
総合評価 : 90 点
年 式 2001 年
走行距離 35,000 km
燃 費 街乗り 13 km/リッター
ツーリング 16 km/リッター
長所
  • 超ショートストローク、300°カム、軽量クランク、この12R専用のエンジンにしか出せない豪快な乗り味。もうこんなバイクは12Rが最後だろう。
    世の流れはSSでもロングストローク。ハヤブサ、ZZR1400、CBR1000、GSX-R1000、ZX-10R、その他いろいろ乗った。
    確かにそれらは乗りやすくて速いのかもしれないが感覚的にはどれも??面白くない。12Rに戻るとやっぱりこっちと思ってしまう。
    クラッチがつながった1速、2速の吹き上がりは強烈。まさに軽量クランクの恩恵。ダイレクト感というか、感覚に訴えてくるものは12Rが圧倒的。
    実際の速さも何処に不足があるの?・・。限界は遥か先。
  • そして12Rであること。普通10年も経てば後継新型車に押されて色あせてくるものだがバッサリ生産を中止してくれたものだから
    いまだにある意味新鮮。印象も当時のまま、型遅れ感が無い。後に買いたしたバイクなんか今では3世代前の旧型扱い・・悲しい。
  • ポジションが大柄。身長180cm、体重75kgでSSに長時間乗ると窮屈で脚がしびれる。
    その点12Rは大柄で楽。きびきびした操作はSSだが常時そんな乗り方はしない。
  • 軽い操縦性。タイヤによって差があるが、超高速でも?と思うくらい軽い。とても重量車の動きではない。
  • エンブレが穏やか。回転が合わせやすい。瞬時に回転が付いてくるのでガンガン、シフトダウンしても結構大丈夫。
    (ちなみにバックトルクリミッターは付いていない)
  • ウインドプロテクションが良い。これはこの手のバイクの美点。高速での長距離移動は非常に楽。SSやネイキッドより体力の消耗が少ない。
  • 公道用バイクとして小物入れの存在。リヤシートカウルの中にある小物入れ、結構 物が入るので重宝する。
  • それとハンドル切れ角。モノコックフレームでフレーム幅が狭いためハンドルの切れ角が結構ある。
    ハンドルで曲がっていくような裏路地なんかハンドルが切れないSSより楽。
短所
  • そんなエンジンだから低速は期待しないほうが良い。1200ccもあるから不便なことは無いが、大排気量車の怒涛の低回転トルクが味わいたいならハヤブサ等のより排気量の大きいバイクか低回転重視のネイキッドを選択した方が良い。
    6速、法定速度でも走れるが、いかにもエンジンに悪そう。
    発進時の半クラ操作はシビア。クラッチが扱いにくいわけではないが軽量クランクのため回転落ちは激しい。
    ポンとつないで後はエンジン任せとはいかない。上手く決まれば痛快、下手すりゃエンスト。
  • 車重が重い。このクラスとしては軽い方なのだがSSとして(SSではないと認識しているが)は重い。
    ブレーキング等でとてつもない重量物をコントロールしていることを思い知らされる。SSのようなキレのあるハンドリンだが、やはり重量車。
  • ブレーキパッド。メーカーの想定なのか超高速では面白いように減速するが、低速、特に一発目は効かない。この辺は好みでパッドを変えた方が良い。
  • 先にタイヤによってと書いたが、相性が悪いと気持ち悪いくらい振られる。SS用のタイヤでは車重を支えきれないのか?
  • 航続距離が短い。今どきリッターSSでもツーリング1タンクで300km走れる。12Rは200km超えたらガス欠の心配をしながら走らなければならない。
    高速連続走行が得意なだけに残念。
  • 暑い。この手のバイクが暑いのはしようがない。・・が、ファンが回っているのに水温が上がり続ける時は大丈夫??と思ってしまう。
    (それでおかしくなったことは無いがオイルには気を使った方が良さそう)
故障,トラブル
リコールの他はエンジンヘッドカバー周りのオイルの滲み程度。
その他
もうバイクに乗り始めてかなりの年数が経った。今まで数年乗っては新型車の魅力に勝てず買い換えていた。
ところが12Rに乗り始めてから10年以上経つが未だに買い替える気が起きない。

実は今の12Rは'00型に継ぐ2台目。盗難に遭ってしまい同じA型でもいわゆるA2。'00のA1は初期不良かクラッチが2回壊れた。そしてドン付き対策でスロットルが重い。(大昔のCRキャブの張り付きに比べればかわいい)

A2はこの辺改善されている。現在このA2にA1初期のECUを付けて乗っている。(ECUはポン付けできない)
取付前後でパワーチェックしたがまあ同じ(以前のA1と比較してもほぼ同じ)。中間開度で違うのかな?若干だがA1用ECUの方のなぜか燃費が良い。

B型も初期、最終にも乗った。A型の腰高感、ステアリングの過敏な反応はB型では感じなかった。新しい方がいろいろ熟成されている。
ただA型にある妙な軽さと私にとって良い意味での気の抜けない落ち着きの無さも薄れていくように感じる。

スロットルを開ければ浮こうが、滑ろうがお構いなしに加速、加速。そして軽い操作であの巨体が軽やかに身をひるがえす。
常に緊張を強いられるバイクであることも事実だが、それが面白い。

それまでのフラッグシップモデルの考え方を変え、過激方向に舵を切った12R。やり過ぎて短命に終わってしまった。

ノーマルでは飽き足らずいつもあれこれ過激方向に改造してしまう人。そんな人は一度乗ってみると良い。
top


I'm Rider