たりょう |
 |
HONDA |
NIGHT HAWK750 |
総合評価 : 80 点 |
年 式 |
1991 年 |
走行距離 |
15,300 km |
燃 費 |
街乗り |
14 km/リッター |
ツーリング |
19 km/リッター |
長所 |
- 安い。日頃お世話になってるバイク屋さんで、125ccの中古スクーターより売値が安かった。
発売当時から安いナナハンで639,000円で750台限定で売られてたらしく、中古市場でも不人気のおかげで売っていればお安く買えるナナハンです。売ってもたいしたお金にならないのでプロのバイク窃盗団には狙われにくいのも○。
- 超地味。紺一色で街中で全く目立たない。
大型教習車で有名な同じエンジン(RC17E)を積んだCB750(RC42)よりもさらに地味。CB750はロングセラーなので今でもよく見かけますが、ナイトホーク750は販売台数が少ないのでまず街中で同じバイクには遭遇しません。
- デカい。というか長い。
スタンダードモデルなのに米国向けのディメンションだからキャスターが寝ててホイールベースが長く1505mmもある。(ゼファー750とかと比べると)ナナハンにしては大きく見えるせいか、深夜に街中を流していても周りのタクシーなどが少し距離を置いてくれる気がする(250の場合だと小さくて目立たないせいか、幅寄せされたり軽く煽られやすいように感じます)。
- シートがデカくて厚くて長時間乗ってもお尻が痛くならない。
タンデムするためにあるようなアメリカ人サイズのシートは平らな面が大きくて荷物も積みやすい。跨ると相当幅広なティアドロップタンク(18L)も横からは車体のバランスの関係で薄く見えてそこそこカッコイイ(単に好みの問題です)。当時ホンダがNAS(New
American Standard)と謳った飽きのこないデザインです。
なにより私みたいなデブが乗っても似合うデザインはアメリカンならではでしょう。
- リアタイヤが細くて思ったよりバンクが軽く、重量配分がリアよりの設定なのでリアのトラクションがかかりやすく、フロントが18インチのロングホイールベースのバイクにしては意外に軽快に曲がり易いのも○。
- 細かいところでは外観が輸出仕様と同じなのでサイドリフレクターが付いてるのもポイントです。
- ポジションが超楽。極楽ポジションながら純粋なアメリカン(クルーザー)ほど脚を前に投げ出す訳でもなく、ハンドルとの距離やステップ位置が流して乗るのはちょうど良い。前傾度の強いスポーツモデルとは違って、久しぶりに乗っても身体がマシンに馴染むまでの無駄な時間が一切不要。
- ウルトラスムーズかつトルクフルなエンジン。
低回転でも一切スナッチが発生しない。5速巡航時でもアクセルを開けると低回転からそれなりに加速してくれる。アイドリング時は意外に音(排気・吸気音、メカニカルノイズ)が静か。走行時の排気音は静かすぎるくらい。
ただ8,000回転あたりからは空冷並列4気筒らしい吹けあがり感もあって加速感も音もそれなりに盛り上がるところが○。
高回転域を使わなければ全く恐怖を感じない大人しい性能。回して乗っても車体が重いせいか実際の速度ののり方以上に加速しているように感じられるので、無意識にとんでもないスピードが出てしまってるというような事はありません。
- CBX650カスタムに始まる背面ジェネレーターのホンダ第三世代の空冷4気筒エンジンはカバーの出っ張りが小さいので転んだ時の損傷が少なくて済むかもしれません。
|
短所 |
- 車体とエンジン以外の細かいところが全て安っぽい。
90年頃の円高時代の対米輸出向けコストダウン対策が盛り沢山。CB750に比べて安っぽい脚周り(フロントはシングルのピンスライド2ポッドのディスクブレーキ、リアはドラム式、Fサスには何の調整機構も無いφ41、リアサスはリザーバータンク無しetc)。
ヘッドライトが車体の割に小径すぎる。メーター(スピード&タコ)も針の可動範囲が180°+α程度の安物。サイドカバーの車名表示もただのステッカーでいかにも安っぽい。
いかにもタンデム向きのデカいシートなのに肝心のタンデムグリップが無い。鍵付別体のヘルメットホルダーが無く、わざわざシートを外し、シート下に2箇所ある簡易ヘルメットホルダー(ただの太い針金)に引っ掛けるだけ。
750なのにリアタイヤが250や400のマルチクラスと同じサイズの設定、しかもバイアス仕様。あまりコーナーでのグリップは期待できません。後ろから見たら迫力に欠ける。
- 人気が無いから街で全く注目されないし、リセールが全く期待できない。
私は納得ずくで中古車を安く買った立場なので何の問題もありませんが、新車でナイトホーク750を買ってくださった方には気の毒な位です。
- 通常の回転域(2,000〜5,000回転)では迫力に欠けるエンジン&排気音。
車体のデザインはアメリカンなのにV型エンジンのように低回転でドコドコとうるさい音は一切しないので、走行時の周囲へのアピール度は相当低い。
- 初めて長時間乗った時はタンクの幅が広すぎて太腿の付け根と股関節が痛くなりました。
- 取り回しに苦労するほどでは無いものの、それなりに大きく重いので一般道でスピードを出しすぎると少々手に負えなくなるような気がします。
ブレーキ(特にフロント)が発売当時でもプアな設定なので、初心者や私のような下手なライダーの場合には限界が低いバイクかもしれません。
- 高速ではアップライトすぎて風圧に負けるポジション。
前世代の750(CB750F)やCB750(RC42)同様に上手い人が乗ればそれなりに速く走れるバイクでしょうが、そこまで上手くない人には飛ばす気にならない無難な設定です。
同系エンジンを載せた当時のスーパースポーツCBX750F(6速)と比べて恐らく高速道路上でのアベレージは20km位は違ってくるでしょう(ナイトホーク750はワイドレシオの5速でCBXで採用されたバックトルクリミッターも付いてません)。
おかげでスピードの誘惑には負けにくいので免許にはやさしいのかも。
スーパースポーツ好きの方が乗れば不満な所ばかり目立つ750でしょう。また80年代までの空冷4発の絶版車好きやカスタム好きには見向きもされないバイクです。
ライトスイッチが無くなった頃に発売されたモデルのため、微妙に古い年式にもかかわらずライトスイッチが無いのは残念です。
若い人にはライトスイッチなんか無い方が普通なんでしょうけど。
|
故障,トラブル |
- 駐車スペースが狭い(短い)ので、せっかくセンタースタンドがあるのに使えません。バイクを3台も停めてるので仕方ありません。
- 故障ではありませんが、ハンドルブラケットにゴムダンパーが付いてることを知らずに、買って暫くしてからツーリング先で急制動をした際にハンドルが前後に動く(ブレる)のに気が付き、その足で買ったバイク屋にクレームをつけに行ったところ、アメリカンタイプによくあるハンドルに振動を伝えるのを防ぐ仕組ですと軽く笑われました。
以前もパイプハンドルのバイクには乗ってましたがこれまでの愛車には一切そのような症状は無く、セパハン車ではありえない動きに少々戸惑った次第です。
- 徹底したコストダウンの結果、ハンドルバーエンドのウエイトすらなく、信号待ちのアイドリング時にハンドルに振動が伝わってバックミラーに像を結ばなくなります。70年代のバイクのようなエンドまですっぽり覆ったゴムグリップには今でも違和感を感じます。
- 何も新しくアピールできる特別な機構も機能も性能も無い代わりに、普段使う上では何ら欠点らしい欠点が無い使い尽くされ改良されたモノで作られた、一切の無駄や虚飾が排されたスタンダードなバイクです。
どこかでCB750を「750のカブ」と呼んでいる方がいましたが、ナイトホーク750はCB750以上にスーパーカブ的な750です。
|
その他 |
- VT250SPADAとBROS650、そして3台目にこのナイトホーク750を買い足しました。同時に3台所有するのは学生時代以来(当時はHONDA
GL400ウイング、SUZUKIのNZ250S、RG50E4の3台体制でした)です。
昔からSUZUKIのバイクが好き(不人気で安いバイクが好き?)だったんですが、現在は所有するバイクが3台ともホンダになってしまいました。しかも売値がつかない20年落ちの不人気絶版バイクばかり...。
現代のバイクが高すぎて(青空駐車で盗まれるのが怖いのもアリ)買えないのと、当時は中型免許で乗れなかった反動もあるかと思います。3台体制だとさすがに距離が伸びないので絶版車乗りには丁度良いです。
- BROS650のところで任意保険が高すぎると書き込みましたが、実際のところ保険屋に任せていたら色んな特約を盛り込まれた契約にさせられただけでした。
今はネット契約の保険会社でそれなりの金額に収まり納得しています。
- 70〜80年代の名車と呼ばれるプレミア付きの絶版車や現代の高性能高価格の輸入バイクに比べて、お金を掛けなくてもそこそこ楽しめるのが90年代の国産不人気絶版車です。
メーカーから出なくなった部品もありますが、消耗部品の交換にはまだ問題はありませんし、性能的にはエミッション対応の現代の国内仕様車を上回るバイクもあります。
まだまだ使える個体が流通してますから、初心者が安く楽しむにはもってこいです。ただスタイリングが時代遅れに感じられてしまうのは仕方がありませんね。
|