プロ |
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HONDA |
スーパーカブ110 プロ |
総合評価 : 95 点 |
年 式 |
2009年 |
走行距離 |
12,500 km |
燃 費 |
街乗り |
58〜70 km/リッター |
ツーリング |
59〜73 km/リッター |
長所 |
- 燃費。初めて計算したら66km/L、絶対におかしい、給油量か距離計か計算か自分の頭か、全てを疑いその場ですぐまた走り出して再算出、70km/L。
おかしいのはカブのエンジンであった。
- 走行安定性(1)
低速では自転車か三輪車のように軽く優しいが、低重心と寝かせたシリンダーの前後運動のおかげか、小径タイヤながらフラフラしない。
軽快なのに意外にもどっしりした乗り味。
- 走行安定性(2)
60km/hを超えると高回転で振動がシルキーになり、ジャイロ効果なのか何なのか車体がピタッと安定してスポーツバイクに化ける。
- 警戒されない外観イメージ。
仕事で用事があるからここにいる、と思ってもらえるので、よそものだと気が引けるような場所でも自然と入っていける。
おかげで旅がぐっと濃くなった。
- 積載力。
巨大な前カゴと広大なリアキャリアでものすごい量を積める。
転職の際に100kgは優にある書類を積み上げて帰ったのにフラフラせず普通に走り難なく到着。
さすが実用運搬車。ツーリングの荷物など軽すぎてバイクに笑われるレベル。
- レッグシールド。
冬の死ぬような寒さが嘘のよう。雨にも濡れにくい。
今までの苦労や対策は何だったのか。ハンターカブが気の毒に思える。
- 登坂力。
普通の坂なら回せばちゃんと登っていく。坂の前の勢いづけやギア操作などを必要に応じてやるだけ。
ベースパワーがないから一緒に頑張る感じで、そのつど達成感と愛着が生まれる。
- シート。
尻が痛くならないバイクは初めて。
これまでオフ車でゲルザブ装着などいろいろ苦心してきた。この痛みとの闘いがないとこんなに走り続けられるものかと思い知った。
- 着座姿勢。
体のどこにも負担がない。ニーグリップできないのが不安だったが何のことはない、止まっている椅子のようにポジションが決まる。
- 操舵性。
癖のないハンドリング、尻でシートを左右に押すだけでカーブを自在に曲がれる。これなら片手配達もできるわけだ。
前カゴに重い荷物を積んでもハンドル操作が難しくならないのは本当に不思議。
- ブレーキ。
普通にちゃんと効く。もともとブレーキ性能を期待しなかった元オフ車乗りには何ら不都合ない。
だいいちゆっくり走っているから困ったことがない。そういう乗り方に自然となる。
- ヘッドライト。
35wしかないと不安だったがきちんと照らす。
のんびり走るからそんなに遠くを明るくする必要もない。低い位置に付いているから前のクルマの迷惑にもならない。
- 指定タイヤ。
グリップ感が適切で長持ち。
次も絶対これにする。
- オプションのグリップヒーター。
ものすごく幸せ。手が温かいと豊かな気持ちで走れる。
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短所 |
- ・タンデムステップがない。ちょい高価でまだ付けてない。
震災とか怪我とか、いざというときに人を乗せられないのは実用運搬車として惜しい。
付ければいいだけのことだけど。
- タイヤの空気が入れにくい。
小径でドラムブレーキのため、エア注入部のバルブとドラム部とのクリアランスが小さく、ガソリンスタンドの空気入れが装着できないことが多い。
アダプター必携、というかホンダは車載工具にアダプターを含めてもいいレベル。
- ウインカースイッチの位置。
蕎麦の出前の片手操作を尊重するポリシーは立派だけど、一般バージョンも選べるようにしてもらえたら。
- ホーンスイッチの位置。
緊急時に一瞬で親指が向かう位置ではない。
指が迷ってヒヤッとしたことがあって、無意識でもそこに指が行くようバイクを停めて訓練した。
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故障、トラブル |
- ヘッドライトバルブ切れ交換、チェーン伸び伸び交換、メーターランプ切れ(そのまま)、リヤブレーキパッド不良交換、リヤブレーキのリンク部の故障交換(おかしな部品が取り付けてあった)、外装固定プラ部品割れ交換(全部ボロボロ)、ステップラバー破れ交換。
- 納車整備とは口だけでエンジンオイルとプラグ交換のみ、保安用品さえチェックしていなかった。信用できる店で直した。
安物買いの何とやら。
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その他 |
- 4st250ccで30ps程度のオフ車を主として乗り継いできたので、110ccで8.2psという弱さに不安を抱いていたが、下道のんびり派の自分には不満がないどころか楽しく走れて驚いた。
出たときに新車で買っておけばよかった。
- 街乗りもツーリングも燃費があまり変わらないのは、街中(東京)もマイペースで巡航しているから。
以前は、高ギアで回さずトコトコ行きたいのに後ろにクルマが来たら迷惑にならないよう急いだりしていたが、今やこちとらカブである。
クルマさんどうぞ追い越してくださいと左に寄ってのんびり行く。
だいいち、速く走っても強引に抜かれるのがカブ。おかげで自由に乗れるようになった。
- 50歳を過ぎた私にとって、これが最後のバイクになりそうだ。
きちんといいところに到達できた気がする。
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