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ハイテクバイクも良いけれど


PALERIDER

好きなバイクは機械機械しているシンプルなものです。

 フューエルインジェクションが当たり前のように装備されるようになって、中にはコールドスタートもボタン一発でOK,という素晴らしいものもありますね。トラクションコントロールができるオフ車もありますね。技術の進歩がバイク乗りの裾野を広げててくれるのは心底喜ばしいと思いますし、自分でも一度所有したい願望のかられます。どんな遠くに行くにも楽チン快適で、いままでの自分の技量では踏み込めなかった道も走れるようになって、ツーリングがきっときっと楽しいだろうなぁ、と空想タイムにどっぷりつかったりもします。

 でも。どこかひっかかります。
 人の技量で補っていたものを、機械がやってくれる。余計な気を使わなくてライディングに集中できる。確かに素晴らしいことですが、我らバイク乗り万人にとって必ずしも素晴らしいばかりとは思えないのです。

 四輪車の機構の進化と、それについてこれないドライバー達の質の低さを見ているとついつい今のバイクの行く末に一抹の不安を覚えます。ABSや電子制御のサスペンション、エアバッグ等のハイテク装備は、本来フルに仕事をさせてはいけない機構、万が一に備えての装備として、日本に比べても高速走行の上限が高く、あるいは路 面整備が不十分な海外で開発されたものではないか、と考えているのですが。

 ところが、それらの装備が日本に入ってくると、本来ドライバーのどうしても補えない部分を補う思想(、と自分では思っていますが)で装着されているものが、単なる『技量が未熟で安全意識の低い人』でも車を運転できるツールに価値を落としているような気がします。サスが貧弱な昔の車なら当然横転してしまいそうな無茶なコーナリングでも、本人はそれを無茶と意識しないか、ひどい場合には、それを自分の技量そのものと勘違いして何事もないかのようにやってしまいます。
限界が高い、ということは、逆にことが起きた時には取り返しがつかないダメージを負う可能性が大きい、ということではないでしょう。恐ろしいことです。近くを走るバイクが巻き込まれることも充分考えられるのですよ。

 極端な例だったかもしれませんが、ドライバーを過保護にしている車に乗っていて、安全意識が育つとは思えません(ちなみに、事故の際、加害者に有利な保険制度も安全に対する意識を鈍化させている根元の一つだと思います)。
 自分の身を守るということに鈍感な人が、まして他人の傷みに共感し、思いやることができるとは到底思えませんね。そういう人がバイクに対して幅寄せなんかするのかもしれません。最悪の結果がどういう風になるか想像できないんでしょうから。

 普段からの怒りを爆発させているような言いようになってしましましたが、私がバイクのハイテク化に対して諸手を挙げて賛成しかねるのは、まあ以上のような考えからです。

 ところで、私は2ストの150ccに乗ってますが、さてさて1000ccを超えるバイクやもっと排気量の大きな四輪車と比べてどっちが総量で環境に悪いガスを排出しているのか、と意地悪く思うことが有ります。

 2ストは悪だ、という意見が大勢ですが、メカで補えところは、燃料やオイルの性質でカバーできないものかと、素人考えで諦めきれずにいます。
 軽い(シンプルなものが多いかな?)バイクは慣性が小さいからいきなり前方に車が飛び出してきても危険回避が容易ですよ。シンプルの代名詞とも言える(勝手に言ってます)2ストバイクを健全に進化させつつ、メーカは今後も作り続けてくれないものだろか、と今日も空想タイムに浸かってしまいそうです。
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