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真夏の奇妙な一夜

よーいち

 あの奇妙な出来事は今から数年前、福島県の裏磐梯での出来事でした。

 裏磐梯は磐梯朝日国立公園に属し、五色沼を中心にたくさんのキャンプ場や観光施設があります。
 私がそこにソロでキャンプツーリングにいったのは七月の後半、まさに観光シーズン真っ盛りといった時期でした。
 周辺には走りどころも多く、ひとしきり走りを楽しんだ後、檜原湖畔のかなり大がかりなキャンプ場にテントを張りました。 本当に大きなキャンプ場で、ライダーから家族連れ、大型バスを連ねてやって来た中学か高校の団体までいました。

 夏とはいえ高原の夜は過ごしやすいものです。私は夕食をすませ、早めに眠りにつきました。それからどれくらい経ったか・・・・。テントの外に人の気配を感じ、目を覚ましました。何時頃でしょうか、静まり返った闇の中から、つぶやくような人の声が聞こえてきます。息を殺し、様子をうかがうと、明らかにテントの入り口に何者かが立っているのです。私は戦慄を感じました。そしてついに何者かが入り口のファスナーをズズズッと・・・・・(ギャーーー)

 入ってきたのは中三か高一ぐらいの少年。なんなんだこいつは!
 驚愕した私は、少年におそるおそる問いかけました。
「君、誰?」
 少年は答えました。
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
「?」私は状況が読みとれませんでした。
「だいじょうぶじゃなくて君、誰?」
「だいじょうぶ、OK、問題ないよ」
「君、だれなの」私はきつい感じで聞き返しました。
 すると少年は
「だれ?**くん?」と逆に聞いてきます。
 こいつは寝ぼけて自分のテントとまちがえているのだと思い、かみくだいて説明しました。
「ここはオレのテントで、君のテントじゃあない。君は入るテントを間違っている」
「?」彼はしばらくきょとんとしていましたが、急に合点がいったという具合に、
「うん、だいじょうぶ、だいじょうぶ」と今度は私のテントの中で寝ようとし出したではありませんか。
「だからここは君のテントじゃないんだって」そういっても理解できないらしく、何かぶつぶつ言いながら、今度は私の荷物を物色しはじめました。
 どうもこいつは寝ぼけているのではなく、酔っぱらって酩酊しているようなのです。

 あの中学だか、高校だかの団体の中の1人がハメをはずし、酒でも飲んだんだと思いあたり、力ずくで彼をテントの外に追い出しました。その間も少年は「だれ?**くん?」と私を知人だと思いこんでいます。

 追い出して様子をうかがうと、テントの前から離れようとせず、まだぶつぶつ言っています。そしてまた入ってこようとするではありませんか。さすがに恐怖を感じ、野良猫を追い払うように強引に彼を少し離れたところまで追い払いました。それでも彼は、どうも納得がいかないらしく、また私のテントの近くにの戻ってきます。

 その夜、私と少年はテントの内と外でいつまでも対峙し続けたのでした。
 こうして奇妙な一夜は明けました。次の朝も快晴、夕べのことがまるで夢のようです。
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