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なんよツーリング Report (21)
運命共同体フィシャーマンは宇和島市の方に向かって出て行った。FZの燃料計の針はエンプティー(空)のすぐ上にあったが、まだリザーブが出ていないと言っていたので、彼は宇和島市内で無事給油することができるだろう。しかし、我々の場合はどうだ。これから当分の間は田舎道になる。GSなんて期待できない。「どうしようか、どうしようか」と考えて、KATANAとGBのガソリンをVTRに入れようという事になった。「さて、決めたのはいいがどうやって入れ換えるか?」が問題になった。一番燃料を抜きやすいのはGBだが、まさか空き缶に燃料を受け取るわけにもいかないだろう?。 ダメもとで、西谷君が道の駅に給油ポンプを売っていないかを確かめに走った。私も、たぶん雪上君も、あることは期待していなかったが、西谷君が「ありました!」と右手に赤いビニール製の給油ポンプを持って帰ってきた。 どうやら売り物ではなく、ここのレジで使っていたものらしい。出所はどこでも構わないので、ありがたく使わせてもらうことにする。 バイクの向きを対面にし、平行に並べて給油する。供給側のバイクも、残量がどれ程あり、どれだけ分け与えれるのか分からないまま適当に入れ換える。この光景は、ライダーが見ればお涙頂戴のシーンであり、ドライバーが見れば大馬鹿者のシーンに映るかも知れないものだ。KATANAの給油で、VTRの燃料残量警告灯が消えた。GBからは、大ばんぶるまいで気前よく移し換えた。これで、次にどのバイクがガス欠になるか分からなくなったが、当面の危機は回避できた。 途中でガス欠になった場合、給油ポンプは必需品になる。西谷君に、この給油ポンプを売ってもらうよう交渉を頼んだところ、100円という低価格で購入することができた。給油ポンプをGBに縛りつけて、やっと帰れることに目処がついたのは、ここに着いてから40分が経過していた。 不安の種が消えた訳ではないが、これで3人は、ガソリンを媒体とした運命共同体になったことになる。「みんなで止まれば恐くない」というフレーズが頭に浮かんだが、この場合正しいのだろうか?。 血の一滴今日の短縮コースの計画は、有って無いようなものだが、それでもガソリン補給のために走り回った時間のロスは大きかったなと感じた。それに、給油ポンプは得られたが、ガソリンは3等分されただけで問題は解消していない。これからの帰路は、GSを探しながら走らなければならないと思うと、少し気が重くなった。松野町に向かって出発した。この方向が帰路だ。ここもスンナリと通り過ぎるのではなく、初日にガソリンを入れたGSに回って見る。しかし、ここも休業日だ。その近くにもGSが有ったが、やはり休業日だ。どうやら、道の駅で2番目に聞いたおじさんの情報が正しいみたいだ。信じたくないけど。 パソコン、電気なければただの箱。と同じく、バイクもガソリンなければ・・・と考えると、戦時中に言っていたらしい「ガソリンの一滴は、血の一滴」という言葉が実感として湧いてきた。 |
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