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なんよツーリング Report (18)

夢限界R 小 野

22才の別れ

 昨日と同じくお品書きが出てきて、説明を受ける。違いは、ロッジのディナーは和洋折衷コースになっていること。まずは、ドリンクをオーダーし、スペシャル・ワンも合わせて持って来るように依頼する。

 今日は、たまたま西谷君の誕生日だ。ツーリング先なので大したことはできないが、気持ちばかりのデザートケーキを予約しておいた。それが、今日のスペシャル・ワンだ。

 小さなケーキとビールが運ばれて来る。持参した蝋燭をケーキに立てて、バースデーケーキにドレスアップする。蝋燭に火を灯して、二人から簡単なお祝いの言葉を贈り、彼の両親になり代わったつもりでお祝いのメーセージカードも贈る。これでかなり雰囲気は盛り上がったはずだが、さすがに蝋燭の火を消す前のバースデーソングを歌うことは、いくら貸切り状態とはいえ恥ずかしくてできなかった。そんな事も知らずに、西谷君が一気に火を吹き消した。

 「あ〜あ、これが可愛い女の子だったら」と思ったのは、雪上君も同じだと思うが、盛り上がるのも早かったがクールダウンするのも早かった。それは、西谷君の顔が可愛いくないというのも確かにあるが、それ以上に空腹だった。

 フルコースのディナーを平らげ、やっとみんな満たりた顔になった。「あ〜あ、明日でこの旅も終わりだな」と思いながら窓の外を見ると、ライトアップした光りの中に虫が規則的に飛び込んでいる?。「あんなに規則的に飛び込む夏虫がいるのだろうか?」と訝りながら、皆でじっと目を凝らして見るが、それでも正体はよく分からなかった。

 レストランから出て、通用口からさっきの疑問の答えを知るべくドアを開けた時、答えは肌を伝わってきた。「雨だ!」。細い雨粒が、ライトアップの光りの中に規則的な軌跡を描いてライトを濡らしていた。

 これで明日の天気に期待するものが無くなった。予定コースの変更は必至で、コースを短縮せざるを得ないだろう。他の二人の顔も「あ〜あ」と言っていた。でも、これで「今晩はぐっすりと眠れるなぁ」と心の中で呟いていた。
5月24日

雨の朝

 「もっと、ゆっくり寝とけばいいのに」と自分でも思いながら、6時前には目が醒めた。他の二人はまだ熟睡中だ。こっそりと部屋を抜け出し、ロビーに出て気になる天気を窓から見る。「もしかして?」と淡い期待をしたが、雨はやはり降ってた。TVで今日の天気予報もチェックするが、今日はどうあがいても雨から逃れそうにはなかった。

 朝の散歩の代わりに、バイクの所まで行ってみることにする。バス停の待合所の屋根の下に停めていたので野晒しではないのが救いだった。見れば雨には濡れていなかったが、昨夜のナイトランでバイクの前面側に虫の死骸が一杯着いている。雨の中を走るため、無駄とは知りつつも、自分のバイクと他の2台についても虫の死骸を落としておいた。たぶん、気づかないだろうな。

 それでも、朝食時間までにはまだ間があったので、今日の短縮コースを考える。昨年に引き続き今回も、太平洋に沿って走る「横浪黒潮ライン」や、ワインディングが楽しいと紹介されていた「竜河洞スカイライン」は外さざるを得ないようだ。しかし、これを外すと3日目の目玉は何も無くなるなぁ。でも、雨なら仕方ないか。それよりも、「今日たちまち給油しなければならないが、この辺りのGSはどこか開いているだろうか?」という当面の心配事が気にかかった。
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