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なんよツーリング Report (17)

夢限界R 小 野

長い道

 斜長橋をやり過ごすと、また1車線の道に戻った。「次の橋まで、後どれくらいあるのだろう?」と、また振りだしにもどったことを嘆きながら走る。細い道なので、気疲れする割りには平均速度は上がらない。対向車がいない事に助かっているが、仮に対向車があっても、今ではライトの光でその存在が事前に分かるくらいの暗さになっていた。

 やがて、ライトの光の中に標識が白く浮かび上がる。「おっ!橋の赤い欄干も見える」。標識には、松野町と滑床渓谷が橋を渡って行くように示されていた。「よかった。あとは宿まで1本道だ」と思い安堵する。本当ならこの辺りで休憩を取りたいところだが、遅れていたので一気に帰るように決めていた。

 県道8号線もR441号線と同じく1車線の道だが、しばらく走って、この道は田園地帯の農道風だなと感じた。風景はもう闇の中に沈んで見通せないが、ライトの光に田んぼ水が時々反射した。

 初めて走る道が闇の中というのは不安なものがある。橋から30分程走った時、今朝出かける時に曲がったターニングポイントに似た曲がり角になったので思い切って曲がる。走りながら、どうも道がおかしいことに気づいた。道の真ん中のアスファルトを突き破って雑草が元気良く伸びている所で、はっきりと間違いに気づいた。「OH〜No!」と私の姓を呼んだのではないが、これで自信を亡くしてしまった。このため、引き返す時には殿(しんがり)の雪上君にリーダーを代わってもらう。

 元の県道に戻り、少し走るとVTRが左折のウインカーを出して曲がる。よく見ると、確かにココが今朝曲がったターニングポイントだという事が分かった。「何だ、もう少しのところだったんだな」とミスが悔しかった。

 曲がって間もなくVTRがスピードダウンした。本来のフォーメーションに戻るつもりなんだと解釈して、追い越して行く。が、すぐにライトの光りが1つ足りないことに気づいた。「VTRが付いて来ていない。どうしたんだろう?」と訝る。引き返して見に行こうとした時、明るい一つ目の光が迫って来た。

 やはりVTRだった。遅れた理由を訊ねると、リザーブになってしまったとのことだった。「そう言えば、佐田の沈下橋からここまでの国道や県道沿いにGSは無かったなぁ」と思いながら、「明日は日曜日だが、この辺りのGSは開いているだろうか?」と心配になった。しかし、今は一刻も早く宿に着きたかったので、心配は隅に置いといて先を急いだ。

 森の国ロッジに着いたのは、それから10分後の19時50分であった。


森の国ロッジ

 森の国ロッジは、昨日泊まった森の国ホテルの200mほど上手に位置している。ホテルとの違いは、規模が小さい代わりに築年数が新しいことであろうか。

 ロッジに泊まることにしたのは、3か月前に予約した時、ホテルの方がすでに満室なっていた事もあるが、やはり違うところに泊まりたいという気持ちの方が強かったから。その時には空きのあったこのロッジも、今日はもう満室になっているようだ。

 急いで部屋に荷物を運び込み、軽装に着替え、レストランに行く。時刻は、すでに20時を回っていた。見れば、他の客は1組のカップルしかない貸切り状態だった。

 今日も壁際の席に案内されたが、窓から見える外の風景はライトアップされた木立以外は闇だけが広がっていたので、現状で良しとした。
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