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「夢限界R」 ものずき三人衆 / Tボーンステーキに釣られて厳冬を走る (4)
ハプニング食後のコーヒーも飲み終わって,ここを後にする。しかし,目の前にある未舗装の道がどうも気になる。食事中に何台かのクルマが通って帰らないところをみると,どうもこの道はどこかに抜けているらしい。そのことを中井さんに話すと,「確かめる必要があるな!」と言うことになった。幸い西谷君のランツァがあったので,「お前確かめて来いヨ!」と彼は重要な使命を帯びることになった。西谷君が張り切って出かけて行った。が,見送ったほどの甲斐もなく,すぐに帰ってきた。「もう終わっているのか?」と聞くと,「200m程先にT字路があり,そこが雪で踏み固められているので帰ってきました」との返事。この報告に,林道大好きの中井さんが満足するはずもなく「俺が行って確かめてくるからバイクを貸してくれ」とランツァに乗って出かけて行った。 10分がたち,15分が経過しても中井さんが帰ってこない。「途中でコケているのかも?」と,2人の脳裏を不安がかすめる。雪道は午前中2人ともうんざりするほど走って,「ドキッ!ドキッ!」としていたからだ。「雪道に免疫のない中井さんなら・・・危ないなぁ」とぼそりと言うと,今度は西谷君が落ち着かなくなった。そう言えば,あのランツァほとんど新車だったなぁ。 私は中井さんを心配して,西谷君はランツァを心配して,T字路のところまで行って見ることにした。問題のT字路のところまで歩いて行くと,さてどちらに行ったのだろうかとタイヤ跡を探していると,右手の方から聞きなれた2サイクル音とともに中井さんが帰ってきた。 まずは,西谷君の心配事を解消すべくコケなかったのかを訊ねると,「コケてはないから大丈夫だヨ!」と言う。だが,何だか興奮している。ジャケットの方に,ハネが着いていないかをしきりに気にするのだ。少し落ち着かせて,何があったのかを聞いてみることにした。 この先に牧場があり,道の側に肥料にする牛糞が沢山積んであるところがあったらしい。同時にそこは道に雪が積もっており,通り抜けようとした時,ハンドルを取られて牛糞の端をかすめて抜けたらしい。水溜まりと思えたところは,実はカウピス(牛のオシッコ)で,土と思えたところは牛糞(ババ)だったらしい。その中を抜けてきたのだから,ランツァのチャンバーに付着している土状のものはババで,フェンダーから滴りおちている水状のものはカウピスか。「わ〜ぉ!ババ,ランツァだ!」と思ったら,笑いが止まらなくなった。逆に西谷君の顔は,ピクピクと引きつっていた。ここは気温が低いから,今は匂わないが,これから帰りにチャンバーが焼けてきたら匂ってくるかも知れないなあと思った。 |
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