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| Bike de ふらっと(Touring Memorial) >> ツーリングの思い出(ツーリング記) | |
「夢限界R」 ものずき三人衆 / Tボーンステーキに釣られて厳冬を走る (2)
裏 道冷気に身を引き締めながら,弥高山を後にする。これから,裏道を通って広島県三和(さんわ)町に向かうのだ。2キロほど走ると,見かけぬ白い影が見えてきた。「もしかして雪なの?」と近づけば,大正解だった。が,正解に喜んでいる場合ではなかった。「どうしよう?」と思ったが,200m程先は道が乾いていた。これなら,これから先がず〜っと雪道ではないはずと気を取り直して進むことにした。「乗って行こうか?」なんて事は思いもせず,すばやくローギアの下のスーパーローギアにシフトダウンして,二輪二足モードで押して歩いて行く。「やれやれ,緩い下りで良かったなぁ」。 試 練三和町に近づいたのであろう,完全1車線の道が2車線に変わった。「あと,もう少しだな」と思っていたら,またもや道に白い影が。今度は初めての上りだ。しかも,今までと違って道がカーブしていて,この先どれ程アイスバーンが続いているのか見通せない。得意のスーパーローギアで上がろうかと思ったが,とりあえず停車して,私が歩いて様子を見て来ることにした。ヘルメットをかぶったまま路肩を上がって行くと,熱気でシールドが曇りだした。何しろ,冬用ジャケットにオーバーパンツという出で立ちで,息を切らしながら坂を上っていくのだ。 第1コーナーを回っても雪は消えず,第2コーナーへと続いている。次第に不安が胸の中に広がってゆく。第2コーナーまで歩いて行くと,一部雪が消えていたが,その先にはまだ白い影が広がっていた。「え〜っ!どこまで続くんだろう?」。すでに,500m程歩いて来ただろうか。白い影の終わりを見届けた訳ではないが,西谷君を待たせているので引き返すことにした。 彼は,泣きながらじゃあなくタバコを吹かして待っていた。「こいつ余裕だな」と内心思いつつ,この先の状況を話してどうするかを相談する。が,今更あの酷い来た道を引き返したくはないという思いは一致していた。 いくらスーパーローギアと言えども,この上りはきつい。何とか第1,第2コーナーをクリアーして休憩を取る。「ああ!しんど」。いよいよ,未知の第3コーナーだ。西谷君が先発する。彼を追って私も出発するが,ライン取りを失敗して道の真ん中で立ち往生してしまう。ブーツが雪をグリップしないのだ。見れば西谷君は,黙々と上がって行っている。私は,無理するとバイク共々コケそうになるので,彼が引き返して来るのを待つことにした。 後方からクルマのエンジン音が聞こえてきた。スタッドレスタイヤを着けたサニーが,私の横を気持ち良く抜いて行った。「あはは,いつもと逆パターンだな」と思う。西谷君が第3コーナーを曲がってすぐに停まるのが見えた。彼が,「ここまでだよ〜っ!」と,大きな声をあげながら引き返してきた。「あと200m程だな」と,白い影が短かったことに感謝する。 二輪四足で,やっと白い影から完全脱出できたのは,ここに来てから約50分が経過していた。「ふ〜っ!冬のツーリングがこんなにも暑いとは,思いもしなかったなぁ」。 |
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